【サッカー】少年サッカー観戦記6:選手交代の悔しさ
2022.11.05
公式戦が行われたのはよく晴れた週末だった。2日間で3試合。全部勝てば県代表を決める大会にステップアップできる。とにかく全部勝てば良いのだ。
土曜に行われた1戦目。息子はトップのスタメンに選ばれた。このチームはトップのみレギュラー争いが激化している。特徴が異なる候補者が何人かいて唯一レギュラーが確定していないポジションなのだ。
なので、トップの選手たちは試合に出られるかどうか試合直前まで全くわからない。ドキドキ感が半端ない。そして、競争が激しいということは試合に出られたとしても交代の可能性がめっちゃ高い。
出場したら分かりやすい結果を残すことが大事だね。試合会場に向かう車中で息子にそんな話をした。
息子はTikTokに夢中になりながら「そうだね」とだけつぶやいた。あまりにも熱心に観ているのでちらっとスマホを覗いたら、サッカーには全く関係ない動画だった……孫悟空がカメハメ波を放つところだった……
このタイミングでカメハメ波……若干イラッとはしたものの、公式戦前にこの落ち着き…
頼もしいじゃないか!
とにかく1戦目。
息子の動きはいつもよりキレていた。特に前線からのディフェンスを全くサボらない。「こいつ実は意外と気合い入っているな」と彼のプレーを観て安心した。
しかし、チームは苦戦していた。一方的に押し込んでいるのに中々ゴールが決まらない。そんな状況が試合開始直後からしばらく続いた。なんとなくチーム全体が緊張している感じだ。決定的な場面でシュートをふかしたりと嫌なミスが目立った。
観ている保護者たちがやきもきし始めた前半12分。
息子がゴール前の混戦の中で何とかボールをキープして絶妙のアシスト。待望の先制点が生まれた。ママさんたちの大歓声が響いた。歓声というか発狂に近い感じで、とにかく会場が沸いた。
その後は一方的な展開になり前半だけで5点差がついた。息子は2アシストとまずまずの結果を残した。しかし、予想通り後半はベンチに下がった。
結局、1戦目は6対0の完勝。
翌日の2試合に勝てば県代表決定戦に進める。
試合後、「めっちゃ頑張ってたね」と息子に声を掛けたら、「でもゴールを決めたかったんだ」といつもの感じのリアクション。何より、後半に下げられたことが悔しかったみたいで、珍しく愚痴っていた。
大勝しても反省と悔しさがにじむコメント。
やっぱり、頼もしくなったじゃないか!
相変わらずTikTokを観ながらの返答に多少イラッとはしたが……
帰りは息子のリクエストでラーメンを食べた。
サッカーを通して日に日に成長していく彼を観るのが楽しい。少年サッカー観戦記はわが子の成長観察日記でもあるのだ。知らず知らずのうちに彼はどんどんと変わっていく。彼のプレーを観ていると毎回驚きがある。
しかし、その日1番の驚きは、
とんこつラーメン派の彼が、いつの間に醤油ラーメン派になっていたことだった。
やっぱり、子どもというのは日に日に変化していくのだ。