ワイツーブログ

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【サッカー】少年サッカー観戦記21/たかがサッカーなのに

12月とは思えないほどの温かい1日

 

2023.12

 

2023年の冬休み。息子が所属するチームは何かのめぐり合わせで急遽全国大会に出場することになった。全国大会と言っても予選に参加したの約200チーム。そこまで大きな大会ではない。とは言え、子どもたちにとっては嬉しいサプライズ。2泊3日の遠征も組まれた。忙しい年の瀬。すべての試合を観戦することはできなかったけど最終日は会場に行くことにした。

 

この日は、3試合が行われた。前日の予選リーグで2敗したため既に決勝トーナメント進出は叶わない状況。それでもはじめての全国大会。子どもたちのモチベーションはかなり高まっていたように見えた。

 

でも、試合内容はほとんど覚えていない。チームもボロボロで何一ついいとこがないようにすら感じた。他チーム同士の決勝戦を観ると小学生とは思えないほどのクオリティ。世界は広いと素人ながら実感した。

 

この日の息子はめちゃくちゃ精細を欠いていた。というか、最近ずっと調子が悪いように見える。メンタルの問題のようだ。ちょくちょく話を聞いてみたけど、反抗期に差し掛かっていることも影響してかハッキリとしたことはわからない。親としては心配だけど、何をすればいいかわからない。小学6年生。多感な時期なのだろうか。

 

去年の9月の終わりくらいに「小学校卒業したらサッカーどうするよ問題」が発生して以降、何やら様子がおかしい。一般的には卒業後の選択肢は3つ。①クラブチーム②学校の部活③サッカーを辞める。

 

どうしたいか息子に聞いてみたけどいまいち明確な答えがない。サッカー未経験の僕にはよくわからないけど、周りの人に聞いてみると、本気でサッカーに取り組むなら①で、そこそこサッカーしたいなら②というイメージだ。上手な子たちは学校の部活にも籍を置きながら、クラブチームを主戦場にすることが多い。

 

息子が何を悩んでいるのか分からない。ゴリゴリやりたいなら①でいいじゃんと思った。もしかしてサッカー辞めたいのかなと思ってさりげに聞いてみたけど、どうやらそれはない。サッカーは当然やめない。けど、①か②か決められない。クラブチームは定員に達すると募集終了なので、そろそろ決断しないといけない。とりあえず体験会とかに参加してみればと勧めてみるもいまいち乗り気じゃない。

 

なぜ?サッカー続けるなら決めればいいだけなのに。親としてもどうしていいか分からない。それでも周りの子達の進路はどんどん決まっていくしクラブチームの募集も終了していく。

 

油断していた。

たかがサッカーと思って油断していた。

これは進路の問題だったのだ。

 

とにかく息子と話すしかない。

煮えきらない態度にイライラもした。

親としては子供が納得するようにしたいだけなのに。

率直な気持ちを教えてくれればいいだけなのに。

 

モヤモヤする時間が続いた。

たかがサッカーと油断していた。

これは息子と真正面から向き合うために与えられた親の試練だったのだ。

 

10月も半ばに入った。進展はない。

ただ、何度目かの話し合いでぼくはようやく息子の気持ちが少し理解できた。

 

息子は進路のことで悩んでいたんじゃなかった。

ただ、いまのチームが終わりに近づいていることをさみしく思っていただけだった。

サッカーが好きである前に、ただただ今のチームが大好きなだけだった。

 

終わりに近づくチームをただ寂しく思っていただけなのに、周りの大人は、親すらも、卒業後のサッカーについて責めるように決断を迫ってくる。

 

たかがサッカーと思っているつもりで、進路がどうのとか、試練がどうのとか大きな問題にしていたのはぼくのほうだ。クラブチームの募集が締め切られたからと言って別にサッカーができなくなるわけではないのに。

 

進路について口を出すのはやめにした。この6年間、トレーニングマッチも含めてけっこうな頻度で試合観戦していたけど、数を減らした。

 

老眼みたいなもんで、近すぎると見えなくなるものもあるからだ。ちょっと寂しいけど、そっちのほうがきっと良い。決断をせかすより、息子が決断したことを全力でサポートするような親でありたいと思うから。

 

 

年の瀬。全国大会の帰り道。

 

「決勝戦のレベチぶりどう思った?」といじわるな質問をしたら、「まぁ、みんな俺よりちょっとだけ上手かったかな。」とコンビニで買ったポケカ開封しながら息子は言った。

 

いや、まじかこいつ。

盲目ってすごいな。

そんなことを思いながら2023年の少年サッカー観戦は終わった。