【サッカー】少年サッカー観戦記22/サッカーを辞めるまで
2024.03
「親子でサッカーをするのもこれが最後かな」
6年間通ったサッカークラブを卒業する日。
子どもチーム対親チームの親子サッカーが行われた。このチームでは定期的に行われる定番イベント。猛暑の夏も、極寒の冬も、コンデションに関係なく実施されたから、運動不足の親たちにとっては苦行に近かった。ただ、子どもたちとサッカーが楽しめる貴重な時間だった。
最初に息子とサッカーをしたのはたしか3歳の頃。公園でボールを蹴っていただけだったけど本当に楽しそうに笑っていたのを思いだす。その後、年長の時に近くのフットサルスクールに通い始め、小学校にあがると同時にいまのチームに参加した。
最初は軽い気持ちだったからここまで続くとは思っていなかった。息子はいつの間にかサッカーが大好きになっていた。特にゴールを決めた瞬間が一番いい顔をしていた。誰よりも点を獲ることにこだわった。上手くなくていい、強くなくていい、ただ一番ゴールを獲る選手になろうぜ。そんな話を息子とよくしたものだ。
コロナ禍。少しモチベーションが下がった。厳しいコーチが着任して更にモチベーションが下がった。それでも何とかサッカーを続けた。友達がいたからだ。思い返せばこのあたりから息子のサッカーは僕の手を離れていた。家族で始めたサッカーだけど、仲間と楽しむサッカーになっていった。本当に楽しそうだった。飽き性でめんどくさがりの息子がサッカーだけはしっかり取り組んでいた。もちろんポジティブなことばかりじゃない。試合に出れなかったり、途中交代させられたり、仲間と喧嘩することもたびたびあった。
いろいろ詰まった6年間。本当は観戦するだけのスタンスでいたかったけど、いろいろ口出ししてしまった6年間。でもなんだかんだで息子にとっても、家族にとっても良い思い出になった。何事も継続すると良いことがあるもので、充実した6年間だったと言える。
親子サッカーは2対2のドローで終わった。
小さい頃は必ず親チームが勝っていた。毎回負けるのが悔しくて泣いている子もいた。大人たちはどこまで手加減すれば良いのか真剣に悩んだものだ。それが今や子どもたちに手を抜いてもらってやっとのドロー。成長を感じずにはいられない。
これから息子がどんな形でサッカーを続けるのかは分からない。すべて本人に任せようと思い放置している。ただ、そろそろ思春期真っ盛りだし、相当大きな大会にでも出場しない限り
息子の試合を観戦する機会はもう無いのだろう。これまではほぼ毎週末息子のサッカーを観戦していた。4月以降ぽっかりあいた土日のスケジュールを埋めなければ。これからどうするのか考えるべきは親であるぼくの方だった。
来週からなにやろうかな。
なんて考えていたら、最近ハマっている『ドラゴンボールレジェンズ』を操作しながら息子が言った。
「中学生になっても点獲るからさ、たまには試合観に来てよ」
そんなこと言われるとは思っていなかったから
「いやいやもういいでしょ。お父さんも忙しいし。。。」
と思わず返した。
けど、心の中では「何なら全試合観に行くよ」と思った。
「許されるなら、お前がサッカー辞めるまで全試合観に行きたいよ」
そう思った。