ワイツーブログ

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【サッカー】少年サッカー観戦記12/やさしいチーム

夏日なのに冬物のシャツを着て観戦…

 

2023.05

 

合計4大会出場という超ハードスケジュール。今年のGWはサッカーにまみれた。(結局雨で1日は中止になった。)

 

この日はGW強化試合の1日目。夏みたいに暑く、冬物のシャツをチョイスしたぼくは完璧に場違いだった。

 

実は最近息子は不調の様子。トレーニング後に話を聞いても「うまくいかない」と言うことが多かった。

 

試合前、そんな話をコーチにしたら、コーチも最近練習中に表情が優れないことが気になっていたとのこと。表情や態度に出やすい。息子はわかりやすい性格なのだ。

 

それでも「悩むこともサッカー」というコーチの言葉を聞いて「確かにその通りだな」とぼくは少し安心した。

 

この日は4試合をこなした。結果から言うと、1戦目・2戦目はボロ負け。3試合目も惜敗。最後の試合に何とか勝利した大会最下位だけは逃れた。そんな1日だった。

 

息子は全試合に出場して1ゴールを奪った。でも最大のトピックスは別のところにあった。1試合目以降いつものトップではなく右サイドにコンバートされたのだ。

 

足もとの技術がイマイチな息子は、体の強さと突進力、ゴールへの執着心を武器にこれまでトップに入ることが多かった。でも、実は前方にスペースがあるサイドの方がやりやすいのではないか。複数の相手選手に囲まれることが多いトップよりもストレスなくプレイできるのではないか。それが息子の不調の原因としてコーチが立てた仮説。その仮説通り、この日の2試合目以降、息子はイキイキとプレイしている印象だった。

 

前にスペースが広がり、見るべき視界が限定される。マルチタスクが苦手な彼にとってやるべきことが整理されたサイドの状況は快適だったみたいだ。

 

サッカーを始めた頃、めちゃめちゃ楽しそうにプレイする息子に「サッカーの何が楽しい?」と聞いたことがある。彼は「ゴールを決めること」とかなり食い気味に即答した。その日からぼくは「ゴールを決めなきゃサッカーじゃないよね」と繰り返し言った。マルチタスクが苦手な彼にはシンプルな思考が必要だと思ったからだ。以来、彼はゴールを決めることと、トップというポジションにこだわり続けた。

 

「ゴールを決めなきゃサッカーじゃない」

 

無責任な父の言葉がある意味呪いだったのかもしれない。サイドで躍動する彼を見ながら反省した。同時に、ぼくよりも息子のことを理解してくれるコーチがいることを嬉しく思った。

 

帰りの車内。彼は表彰状を何度も眺めていた。チーム内の大会MVPに選ばれたのだ。コーチとキャプテン、副キャプテンが話し合って決めたらしい。息子がチームの中で最も活躍したのかは正直よく分からない。でも、この日、彼の調子は上がりつつあり、彼の表情はサッカーを始めた頃のようにまたイキイキとしていた。

 

家が近かっただけだけど、たまたま入団しただけだけど、本当にこのやさしいチームで良かった。スポーツだから、サッカーだから、巧くなるためには厳しい環境が必要かもしれない。でも、このやさしいチームだからこそ、息子は成長できるのだと感謝の気持ちでいっぱいになった。

 

ただその夜。眠りにつくまさにその瞬間までMVPを自慢してくる息子のドヤ顔にはかなりイラッとした。。。