ワイツーブログ

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【サッカー】少年サッカー観戦記8 決定機を逃さない

夕方になると意外と寒かった。

2022.11.06

 

この試合に勝てば県代表決定戦に進出。おそらくこれまでで最も重要なゲームと言える。

 

が、息子はスタメンは外れた。

 

これはだいぶ凹んでいるはず。そう思って息子を遠目で確認してみた。案の定、チームのベンチから少し離れ、地面に座りながらうなだれたように下を向いていた。

 

当然だよな。キツいに違いない。心配になったぼくは、ビデオカメラのズーム機能を使って息子の様子をさらに観察してみた。

 

しかし、よくよく見てみると、うなだれているのではない。なにやら地面に絵を描いて遊んでいる。

 

さらにズームすると、クリリン君の絵を描いているのが分かった。てか、またドラゴンボールかよ……せめてサッカー漫画にしろよ………

 

絵のクオリティは明らかにベンチ外だった。

 

ただ、改めて息子の鈍感力を見直した。決して悔しくないわけではないはず。彼は昔から多少のことでは凹まない。メンタルが強いというより鈍感だ。気持ちの切り替えが早いとも言える。

 

試合は前の試合に引き続き、膠着状態だった。本日のメインゲームなだけあって、観戦者も多く、会場は徐々にヒリヒリするような緊迫感に包まれていった。

 

一進一退の攻防とはよく言ったものだ。息子が出ていない試合なのに、全く目が離せない。油断すると一撃でやられる。お互いにそんなプレッシャーの中でプレーしているように見えた。

 

前半はスコアレス。そして、後半にアクシデントが発生した。ここまで全試合に出場していたチームでもトップレベルの選手が軽い捻挫でベンチに下がったのだ。そして、息子が代わって出場した。

 

彼は昔から運がいい。イオンの抽選会では「冷え冷え枕」をゲットしたこともあったし、コンビニの一番くじでもいつもそこそこの景品を引き当ててくる。おそらく主力選手の怪我がなければ、この試合の出場はなかったように思える。

 

とにかく、リベンジの機会は得た。あとは結果を出すだけだ。

いつも2人で話している。

試合を決定づけるゴールを獲ろう!

1-0の試合で1点が獲れる選手になろう!

それこそ息子が目指すサッカー選手像なのだとぼくは思っている。

 

息子もその気だ。出場直後から気合が入った動きを見せている。予想外に出場機会を得て多少焦っているのかと思いきや、やるべきことが定まった感があり、動きに無駄がない。

 

ゴールを決める。ただそれだけなのだ。

 

両チームの実力は互角。お互いゴールは遠い。でも、どちらかと言えば少し押している印象だった。いつかチャンスがくる。そんな雰囲気が漂っていた。

 

そして、残り時間3分を切ったところで、ついにチャンスが巡ってきた。

 

センターライン付近で味方の子がボールを奪い、前線にスルーパス。ゴール前に走り込んだのは息子だった。デフェンスとキーパーに挟まれている。が、決定的な場面だ。

 

比較的足が速い息子は、もう1段階加速し、ディフェンスを置き去りにして、ダイレクトでシュート。

 

多少ミートしていなかった。でも、よくコントロールされていた。

しかし、シュートはわずかにゴールマウスを逸れていった。

 

結局、試合は0対0のまま終了。

PK戦の末、息子のチームの敗退が決まった。

 

息子を含め、ほとんどの選手が泣いていた。

保護者の中にも泣いている人がいた。

 

そんな感じで、2日間の公式戦は終了した。

 

試合後、意外と息子は飄々としていた。帰りの車でもサッカーの話は殆どしなかった。スマホでずっとTikTokを観ていた。

 

ただ、家が近づいた時、ひと言だけ「俺が外したから負けたんだよね~」と悔しそうにつぶやいた。そう思えたことが、今回の最大の収穫だった気がした。

 

「決定機は絶対に逃さない」

 

そんな頼もしい選手が誕生した瞬間かもしれない。親バカのぼくはそんなことを思った。

 

 

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