2023.01.28
新しい年が来て、息子は11歳になった。
昨年のW杯に煽られて彼のサッカー熱は過去最高の域に達している。
世界一のストライカーに俺はなる!!
あの有名な麦わらの人みたいなことを言い始めた。
この日はトレーニングマッチが行われた。
相手は隣町の同じくらいのレベルのチーム。
久しぶりに息子のプレイを観ることができて楽しかった。
20分の試合を合計6回繰り返して勝敗を決める。
結果は、7対6で息子チームの勝利。
ただし、トレーニングマッチは勝敗よりもチャレンジすることが大事。
コーチからはそう言われているらしい。
それは理解しつつも、息子は常に勝利にこだわっている。
もう少し言えば、自分がゴールすることにこだわっている。
「チームが勝っても自分がゴールできないと嬉しくない」とまで言い放っている。
そういう選手がいても面白いなーと個人的には思っている。
でも、そう言うからには結果を出さないといけないよね!とも思う。
この日の息子は、1ゴール2アシスト。
悪くはない。けど、チームメイトが1人で3点決めていたので本人的には不満の結果。
「もっと決められたはず」
スマホをいじりながらではあるが、帰り際、彼はそんなストイックなことを言った。
じゃーなぜ思うように点が獲れないのか?
ストーレートに聞いてみたら、「理由は主に3つある」
ビジネスマンのプレゼンみたいなノリで喋りはじめた。
きっとTikTokでプレゼン動画を観たのだ。
理由①トラップの練習不足
彼にとってトラップは永遠の課題なのだ。この日の試合でもトラップがズレてチャンスを逸したシーンが数回あった。トラップって簡単に見えてめっちゃ難しそう。素人ながらそう思っている。でもトラップがすべての起点とも言えるみたいだから、ここは避けては通れない。とりあえず息子はリフティングをもっと練習しなきゃいけないと反省していた。
理由②シュートコントロールが雑
だいぶ改善されてきたが、ゴール前のノンプレッシャーな局面でもキーパーの真正面にシュートを打つことが今だにある。「コースを狙う」という意識が低いのか、イージーすぎて油断してしまうのか、いずれにせよ「コースを狙う」ことの必要性を彼は熱く語っていた。これは大きな前進だ。小5にしてやっと「コースを狙う」という意識が芽生え始めたようだ。
理由③ビビりな性格
これ、息子の大きな弱点のひとつ。ほんとビビリすぎ。サッカー以外でも、夜はまだ一人で寝れないし、発情期の猫の鳴き声にすらビビったりもする。この性格がゲームでもたまに見られる。勇気を持って突っ込めば1点なのに~というシーンが結構あるのだ。必要以上に敵との接触を嫌がるのもどうかなって見ていて思う。ただ、これはすべて本人も自覚していることが今回明らかになった。少しずつでも改善していけるはずだ。
そんな感じで2023年の彼のサッカーライフが始動した。
年明け早々には合宿もあった。
彼はいま、静かに覚醒しようとしている。
昨年のW杯、そして、アニメ『ブルーロック』の影響が大きい。
ちなみに、彼のお気に入りキャラクターは、蜂楽廻(ばちらめぐる)。トリッキーなドリブルで敵を翻弄する。その自由奔放なプレースタイルと性格が魅力のキャラクターだ。
君のスタイルと性格とはかけ離れているだが・・・
口から出かけたそんな言葉を、僕は無理やり飲み込んだ。
なにせいま彼は覚醒している。
そのヤル気を1ミリたりとも削ぎたくはないのだ。