ワイツーブログ

好きなことや楽しいことをワイワイと書き記します。

【サッカー】少年サッカー観戦記17/遠征の景色

景色が良すぎる。毎回ここで試合してほしい。

 

2023.07

 

息子のチームではたまに合宿が組まれる。この日は合宿というより遠征。遠方で行われる大会に1泊2日で出場するのだ。遠方と言っても車で1時間ちょっとの場所なので試合を見学することは可能。去年は息子の経験になるかと思い、あえて見学には行かなかったけど、今年はこのチームの最後の夏になるので見学することにした。

 

会場は、めっちゃいいとこだった。

 

ピッチの向こう側に高原が広がる美しい景色。ちょっと高地だからか真夏日なのに風があって涼しさすら感じる。こんなところで毎年試合してたなんて・・・去年も見学に来たら良かった・・・と密かに後悔した。

 

とにかく景色が最高!

避暑地のような気候が最高!

これでクラフトビール的なものがあれば、なお最高だった!

 

ちょっともう試合とかどうでも良くなってきて木陰で快適に読書とかした。でもせっかく試合を見に来たわけだからと、ちらっとピッチを覗いてみたら、ちょうど息子が派手にミスしていた。ベンチから激と失笑が飛ぶくらい初歩的で派手なミス。相変わらずだ。しかし、この雄大な自然の中ではそんなミスなど些細なことなのだ。今日はもうサッカーどころじゃない。そんな風に割り切って、爽やかな気持ちで穏やかに、試合を観戦することにした。

 

一言で言えば、この日の息子はふるわない。

やる気がないようにすら感じられた。

これは困った。父親のテンションとリンクしているのではないか。

この雄大な自然の中で人一倍あったはずの闘争本能が消されてしまったのではないか。

出来が悪い。

 

この日は3試合が行われたが、結局全敗だったらしい。息子もノーゴール。チーム全体が勝ちよりもチャレンジすることにこだわったらしいが、チームの結果にも、息子の出来にも、モヤモヤする感じはあった。しかし、この雄大な自然がすべて帳消しにしてくれたので、ぼくは気持ちよく帰路についた。

 

後日、聞いたところによると、合宿2日目は3試合全勝だったらしい。チームとしては持ち直した印象の中、息子はと言うと、やっぱりイマイチだったらしい。試合後、笑顔のチームメイトをよそに息子の表情は沈んでいたらしい。

 

ちょっと心配にはなった。けど、数日後に送られてきた合宿の写真には、見たこともないような生き生きとした表情でカレーを貪る息子が写っていた。狙ったかのようにほっぺに米粒が付いていたのがちょっとイラッとした。

 

しかし、子供は親が思っているよりタフで打たれ強い。

 

少年サッカーの試合なんて、雄大な自然の景色を楽しみながら、ビール片手に適当に観戦するくらいがちょうどいい。そんなことを思った。

 

 

 

 

 

 

【お題】田舎の夏の夜の話

小学3年生の夏のはじめ。

おばあちゃんの家に泊まった。

それはもうとんでもないド田舎で、

夜8時には本気の闇が辺りを支配する。

状況的には、何かしら「出る」。

そんなシチュエーションだ。

 

とにかく夜がめっちゃ怖いんです。

怖くて怖くて寝れないんです。

 

家族はみんな寝静まり

寝付きの悪いぼくだけが闇の中にひとり取り残された。

 

田舎特有のオレンジ色の豆電球みたいなのが点いていて、

目を開けるとぼんやりと部屋の中の色々なものが見える。

こういう家に限ってなぜか

古~い市松人形みたいのも飾ってあって

それがまたとんでもなく恐ろしいんです。

 

目を開けたら負けだ。

 

ぼくは必死に目を閉じて寝ようとした。

けど、やっぱり怖くて寝れない。

いま何時なのだろうか。

羊も何匹数えたか分からない。

 

田舎の闇の恐怖と寝れない焦りに我慢できず、

薄っすらとだけぼくは静かに目を開けた。

 

すると、

 

窓の外に怪しく浮遊する光がいくつもある。

カーテン越しにではあるが確かに見える。

状況的には完全に火の玉だ。

 

やっぱり、「出た」。

 

泣き叫びながら隣で寝ている兄貴を起こした。

不機嫌な兄貴に頼み込んで

いっしょに外を確認してもらうことにした。

 

窓のカーテンを開ける。

 

ぼくたちの眼前に広がったのは

火の玉ではない。

 

儚く輝く無数のホタル。

 

その日数えた羊の数より多い。

本気の闇に抗うかのように、

儚い点滅を繰り返す。

 

目を閉じたら負けだ。

 

兄貴とふたり無言で見つめた田舎の景色。

30年経っても忘れられないド田舎の景色。

 

いまでもたまに思い出す

夏の夜のゾッとする話でした。

 

 

今週のお題「ゾッとした話」

 

【サッカー】少年サッカー観戦記16/1点差の予感

陸上競技場だと観覧席とピッチの間にトラックがあって観づらい…

 

2023.07

 

この日行われた大会は、小規模ながらも優勝すれば全国大会に出場できる。選手たち、とりわけ息子の鼻息は荒く、少々気合が入りすぎじゃないかと心配したくらいだった。

 

まずは予選リーグを2試合。1位通過なら決勝トーナメントに勝ちあがり、2回勝てば優勝。最近は小さな大会はどれもこのパターンだ。

 

予選リーグは何とか突破できた。1試合目は接戦の末ドロー、2試合目はダブルスコア以上の圧勝。1勝1分が2チーム並んだが、得失点差で息子のチームの決勝トーナメント出場が決まった。息子は1試合目は振るわなかったものの、2試合目は4ゴールを決めて予選突破に少なからず貢献した。格下のチームにはめっぽう強いようだ。

 

そして、決勝トーナメント。

1戦目はかなり苦戦しながらも2対1の逆転勝利を収めた。

この結果、チームが久しぶりにザワついた。

 

小規模な大会ながらも全国が見えたのだ。

チーム初の快挙まであと1勝。

選手たちよりもむしろ保護者がソワソワし始めた。

 

この日。気温は35度を超えていた。

今年一番の暑さと言っていい。

勝戦までの約1時間半で選手たちを回復させないといけない。

つまり、ここからは保護者たちの戦いなのだ。

 

会場は古びた河川敷のグラウンドで十分な設備など無い。コーチからの指示で選手は全員冷房を効かせた車で待機することになった。こんな指示は始めてでぼくも結構ワクワクした。日本代表のスタッフになったような気分になり、いつもの3倍位のテキパキ感で動いた。とり急ぎ、短時間で回復させるためにはどうすれば良いのかググってみた。

 

●まずは熱中症対策で水分補給

●そして塩分補給の塩タブレット

●本当はシャワーがいいらしいけど無いから水で濡らしたタオルで体を拭いた

●マッサージも効果があるらしいがくすぐったがりの息子に拒否された

●ストレッチはやるように伝えたけど結局全然やらなかった

●甘いものはいらないと言われた

●リラックスさせるために普段よく見る動画の音声だけ聞かせた

 

そんな感じで回復に努めたが、終始興奮気味の息子は、さっきの試合の話や全国大会に出場したらどうするかなど、とにかく喋り続けた。休めよ!と思いつつも、次の試合に絶対に勝ちたいという気持ちは伝わってきた。

 

勝戦は予定よりも10分早く始まった。

 

序盤、相手チームのプレイを見てなんとなく嫌な気がした。組織立っている。「個を重視する」というチームコンセプトは両者似ている。が、しかし、それに加えて、組織立っている。うまくは言えないけど、1人ひとりがテクニカルでまとまりもある。息子たちのチームよりもひとまわり上な印象だった。

 

なんとなく嫌な気がした。

しかし、試合は拮抗した。

猛暑の中、まさに熱戦と呼ぶにふさわしい試合だった。

序盤から早くも1点勝負の気配がした。

それほどに、両チームとも集中していた。

球際が激しい。表情は険しい。

そして、保護者席はいつもより騒がしい。

 

早い段階から1点勝負になる気がした。

そして、その1点は思ったよりも早い段階で生まれた。

いつもより興奮していたのだろうか、何分のことだったか覚えていない。

 

得点したのは相手チームだった。

 

どんなゴールなのか覚えていない。

その後どんな展開だったのかも覚えていない。

息子がどんなプレイをしたのかも覚えていない。

息子が交代したタイミングすら覚えていない。

 

ただ純粋にチームの勝利を願ったけど、叶わなかった。

そんな1戦だった。

 

ただ、はっきりと覚えているのは、

試合後、選手たちがめっちゃ泣いていたこと。

ママさんたちもめっちゃ泣いていたこと。

帰りの車中で息子が無言だったこと。

そして、ひとことだけ、「優勝しか勝たん」と息子が呟いたこと。

 

0対1。夏休み直前に行われたこの日の大会は、準優勝という結果に終わった。

上手くなるためのスパイスは「悔しさ」だと、有名な誰かが言っていた。

 

小学生最後の夏休み。

きっと今年は、「サッカーしか勝たん」。

そんな夏になるだろうと思った。

 

 

【サッカー】少年サッカー観戦記15/初戦の入り方

梅雨明けが近くて突然暑くなった。そんな一日でした。

2023.07

 

この日は、年に2回ある大きな大会の1つが行われた。50チームくらいが参加する大会で勝ち進めば全国大会に出場することができる。チームにとってはひとつの節目みたいなものでこの大会にかける想いは強い。

 

が、しかし、結論から言うと予選リーグ敗退。

 

3チームが総当りする予選で1勝もできなかった。以前からコーチに言われていたのは「大会になると初戦の入り方が悪すぎる」ということ。たしかに外から観ていても初戦の動きは極端に悪い。日本代表とかの試合放送でもよく言われるこの「初戦の入り方」。ほんとはもっとできるはずなのに、息子のチームは初戦の動きがカッチカッチになることが多い。もっとできるはずなのに。謎である。

 

ともかく、この日の息子はベンチスタートだった。試合は序盤から押し込まれまくり、自陣でしかプレイできない状況が続いた。何とか前にボールを運びたいけど、守備の網に引っかかる。こういう苦しい展開の時、縦への推進力というか突破力というか突進力がある息子には、そのうち出番があるのかと思った。が、結局最後まで出場しなかった。試合後に聞いてみたら、忘れ物をしたから罰で出してもらえなかったとのこと(笑)

 

え?

大事な大会なのに?

忘れ物?

どんな理由だ(笑)

 

こいつは緊張感がなさすぎる!それかよっぽどの大物なのかも……親としては後者であることをセツに願うばかり。

 

結局1試合目を落とした時点で、決勝リーグへの進出はほぼ可能性がなかった。2試合目はスタメンで出場した息子が先制点を決めるも終わってみれば2対5の惨敗。夏の大会はあっさりと幕を閉じ、それと同時に秋の大会に向けたチームの再生がスタートした。

 

思うに、初戦の入り方が悪いのは慎重であろうとするがためな気がする。「まずは守備から入って様子見」みたいなのがセオリーとしてあるようで、テレビのサッカー解説者もそんなようなことを言っていた気がする。

 

「わずか90分しかないのに、様子見とか言っているうちにペースを握られるんだよ」いつか誰かがテレビで言っていた言葉を思い出した。ましてや小学生のサッカーは40分程度。勝ちに行く気持ちを誰よりも前に押し出し、ボールも前に押し込んでいく。そんなチームが上に行くのだろう。勝ったチームの喜び方を見ながら、ぼくはそんなことを思った。

 

ましてや、大切な大会に忘れ物をした息子に、次のステージに行く資格など与えられる余地はない。

 

そんな話を帰りの車で息子にしたら、

夏の忘れ物は、秋に取りに行かないとな・・・

みたいな、どこかの漫画からパクってきたようなセリフをはいた。

 

一瞬、うまいこと言うやんと思ったけど、

よくよく考えてみると1ミクロンもピンと来ないことに気づいた。

これは、もっとシンプルに、大事な大会に忘れ物をするなというだけの話なのだ。

 

ただ、きっと、このふてぶてしい子どもは、大物になるに違いない。

親バカのぼくはそう信じようとしている。