【旅行】渚を走る、渚に想う、夏(石川県/千里浜)
世界に3ヶ所だけらしい。
波打ち際をドライブできる砂浜がある。
そのうちのひとつ、日本唯一の砂浜ドライブウェイ。
それが、千里浜なぎさドライブウェイ
読み方は「ちりはま」。
全長は約8キロ。
もちろん、無料。
石川県羽咋市千里浜町から羽咋郡宝達志水町にわたるこの海岸線は、位置的には能登半島の一部で、根っこの部分にあたる。
ちなみに、残る2つの砂浜ドライブウェイは、アメリカとニュージーランドにあるらしいのだ。
ぼくが千里浜を知ったのは、10年くらい前。みなさんご存知『水曜どうでしょう』という番組で紹介されていたのが最初だ。それ以来、「いつか行ってみたい場所ランキング」の上位に固定されていた。
なぜ日本でここだけが走行可能なのか?🤔
●砂の一粒一粒が小さい。
●そして砂の大きさが揃っていって角ばっている。
●こんな砂は適度な水が混ざるとギュギュッと固く締まる。
●結果、車でも走行できるくらいの安定感ある砂浜が生まれる。
そんな千里浜……
爽快すぎる!!!
めちゃくちゃオススメです。
この日は、お盆後だったこともあり、海水浴の客はほとんどおらず、人出もそこそこ。全体的にのんびりと過ごしやすい雰囲気だった。
雨が降った直後だったからか、水は少し濁っていた。本気の海はもっときれいなんだろうなーと思ったけど、海を見慣れていない妻と息子は、「キレイ、キレイ」とめっちゃ喜んでいた。
ぼくは釣りで海は見慣れているけど、砂浜を車で走ったことは当然ない。雲ひとつない、とまでは言えないものの晴れ渡る空と、青く輝く海を背景に、波打ち際を車で走れるとなれば、自然とテンションは上がる。
車を走らせては止め、走らせては止め、写真を撮ったり、海鳥を追いかけたり、足だけ海につけたりして、しばらくはしゃいだ。
そのうちお腹が空いたので、何軒か並んでいた浜茶屋のひとつに入って、ノンアルコールビールと海鮮物を食べた。
これがまた美味しすぎてヤバい。
新鮮なイカを浜茶屋おばちゃん熟練の技で焼き上げたのだから、イカ焼きが美味しいのはわかる。でも、普通のノンアルがなぜあんなに美味しくなるのか。謎でしかない。
「ビールは雰囲気で飲むもんだぜ」
どっかの誰かが言っていたそんな適当な台詞が、実は意外と真実を射ているような気がした。
息子はハマグリとサザエを一瞬で食べ切り、バヤリースの缶を雑に握りしめて、再び1人で波打ち際に走っていった。
ぼくはノンアルを飲みつつ、息子の姿を目で追いながら、もうひとつ適当な台詞を思い出した。
「海は大人を子どもに、子どもを大人にするのさ」
ほんまかよ。雰囲気で適当なこと言うなよ。と、かつてはスルーしていた台詞だ。ぼくはこの手の「何となく良いこと言ってる系ワード」が苦手なのだ。
ただ、その時、波打ち際に立つ息子の姿をカメラで捉えた時、この台詞も案外真実なのかもしれないなーと、ほんのちょっぴり思った。
帰りの車でそんな話をしたら、
いや普通に背が伸びただけだから
と極めて冷静に突っ込まれた。
小学5年生。あと何回いっしょに旅行できるのだろうか。そろそろ「親父と旅行なんてダセえ!」的な反抗期がやってくるにちがいない。
そんな感傷なんて関係するわけもなく、帰りの車窓から見る千里浜も一段とキレイだった。
とにかく、千里浜なぎさドライブウェイ。
「いつかまた行きたい場所ランキング」
上位確定なのだ。